このように感じている筋トレ実践者は多いのではないでしょうか。
思うように筋肉の成長が見込めないのは、負荷の掛け方が間違っている可能性があります。
今日は負荷の掛け方について、
筋トレの原則の一つである「漸進性過負荷の原則」について取り上げたいと思います。
「漸進性って何?」「過負荷とは?」
「漸進性過負荷の原則(ぜんしんせいかふかのげんそく)」。
原則の名前に漢字が6つも並んでいて、文字を見るだけでストレスを感じますよね。
なので分解して考えることにしました。
まず「漸進性」とは漸く(ようやく)進む性質、
つまり一気にではなく、徐々にだんだんと物事が進んでいく性質を示しています。
次に「過負荷」とは、許容以上の負荷が加えられた状態のこと。
要するに「漸進性過負荷」とは、
”今の筋肉が持っている能力の許容量以上の負荷を、継続しながら段階的に増やしていくこと”といえます。
負荷を段階的に増やしていく方法
負荷を増やしていく方法を紹介する前に、一つ注意することがあります。
皆さんが行なっているそのフォームです。
もし自己流で行なっているのであれば、正しいフォームを勉強する必要があります。
間違ったフォームだと狙った筋肉に狙った負荷がかけられない可能性も。
また可動域が狭くて筋肉をうまくストレッチできず、うまく刺激が伝わっていない可能性もあります。
このことは大前提として捉えておきましょう。
・➀反復回数(レップ数)を増やす
1つだけの関節を動かす単関節種目(アイソレート)では、10~15回が適度な反復回数と言われます。
もし ある種目の反復回数がいつも10回なら、段階的に15回まで増やしていきましょう。
2つ以上の関節を連動的に動かす複合関節種目(コンパウンド)であれば、8~12回が適度な回数です。
・➁器具の重量を増やす
➀で説明したように反復回数が15回までできるようになったら、扱う器具の重量を少しずつ増やしていきましょう。
例えばダンベルカールをいつも5㎏×10回行なっている方の場合。
反復回数を段階的に15回まで増やしましょう。
そして15回できるようになったら、ダンベル重量を6㎏に増やし回数を10回に戻します。
また、反復回数を増やしていき15回になったら重量を増やす。これのくり返しです。
・反復できる限界回数のこと
ちなみに1セットで反復できる限界強度のことをRM(Repetition Maximum)と呼ぶ。
ある重量である種目を10回までできるとすれば、その種目は10RMの強度があるといえます。
1回しかできなけば1RMということです。
筋肥大を期待できる強度は「1RM強度の30%以上」と言われています。
例えば、ダンベルカールで20㎏のダンベルを1回しか上げられない方が筋肥大をさせるには20㎏の30%、
つまり6㎏以上のダンベルでトレーニングを行なう必要があります。
もしこれ以下の軽い重量で行なっているのであれば見直しが必要です。
とはいえ、自宅トレーニーでマシンを持っていない方は、1RMの強度を測定することが難しいでしょう。
もしアイソレート種目で50回反復できる、コンパウンド種目で40回反復できるなら、その重量を見直してください。
・➂セット数を増やす
総負荷量は、強度(器具の重量)×反復回数 ×セット回数で表せます。
負荷を増やすにはセット数を増やすことも大切です。
ただし、オーバーワークになると関節を痛めたり、筋肉の回復に時間がかかりトレーニング頻度が下がることも。
こうなると逆効果ですよね。
筋肉と相談してご自身の適性を見極めましょう♪
・➃筋肉の緊張時間を増やす
筋トレ中に筋肉に刺激が入り緊張状態が続く時間のことをTUT(Time Under Tension)という。
ネガティブ動作においてTUTを増やしていくことが筋肉の成長を促します。
ネガティブ動作とは、筋肉を伸ばしながらも収縮状態を維持する動作のこと。
反対にポジティブ動作とは、筋肉の長さを縮めながら収縮する動作のこと。
ダンベルカールで説明すると、肘を曲げてダンベルを持ち上げるのがポジティブ動作。
曲げた肘を徐々に開いてダンベルを下げていくのがネガティブ動作です。
このネガティブ動作ではポジティブ動作に比べて使われる筋線維の数が減るため、
この時に筋肉を長時間刺激できると筋肥大に効果があります。
筋肥大に効果的なTUTは1セット40~60秒と言われていますので、
ネガティブ動作でも緊張を解かずにゆっくり元の位置に戻すことが大切ですね。
・インターバルの長さについては良し悪しがある
インターバルを短くすることでも負荷は高められます。
しかし、次のセットで反復回数を下げてしまったり、強度(器具の重量)を下げてしまっては逆効果です。
そうなるくらいなら、しっかり休んで前セットと同じ負荷をかける方が大切です。
・トレーニング頻度について
筋肉はトレーニング中ではなく、休息中に成長します。
しっかり休息できずに次のトレーニングを始めてしまうと、
せっかく大きくなろうとしていた筋肉の成長を阻害してしまいます。
間を空けすぎても筋肥大にとって機会損失ですが、間を詰めすぎても逆効果。
小さい筋肉なら24時間、大きい筋肉なら72時間の休養を目安にトレーニング頻度を設定しましょう。
まとめ
負荷を少しずつ高めていくことで筋肉は成長してくれます。
戦略なく同じ行動をくり返しても、狙った効果は得られないということですね。
日々の筋肉の成長を計り、適度な過負荷を意識していきましょう。